タイムマネジメントは、個人や組織の成功において不可欠な要素です。
効率的な時間の使い方は、業績向上や目標達成に直結します。
当記事では、「ヤーキーズ・ドットソンの法則」という生理心理学の法則を理解して、タイムマネジメントを実践する方法をご紹介致します。
この法則は、「覚醒レベルとパフォーマンスには逆U字型の関係があり、適度な緊張状態にあるときに最適なパフォーマンスが発揮できる」というものです。
この原則をビジネスシーンに応用することで、自分の能力を最大限に発揮できるのです。
「ヤーキーズ・ドットソンの法則」について詳しくご紹介致します。
ヤーキース・ドットソンの法則とは、「学習活動に対する動機づけは適切なレベルにあることが必要である」とする理論です。
この法則によると、人間は多少のストレスや適度な緊張を感じているときはパフォーマンスが向上し、ストレスや緊張が過剰になるとパフォーマンスが低下するということです。
覚醒レベル（緊張感の度合い）とパフォーマンスには逆U字型の関係があると言えます。
【覚醒レベル】
覚醒レベルとは、心理学の用語で、パフォーマンスの高さに関わる緊張・興奮状態のレベルのことです。
覚醒レベルが上がると、心拍数が高くなって筋肉や脳に流れる血流が増し、パフォーマンスも上がります。
しかし、覚醒レベルが高すぎると、力みすぎたり興奮しすぎたりして、パフォーマンスが下がってしまいます。
【逆U字型の関係】
逆U字型の関係とは、二つの変数の間にある関係が、U字を逆さにしたような曲線で表されることです。
例えば、覚醒レベルとパフォーマンスの関係は、覚醒レベルが低すぎるとパフォーマンスも低く、覚醒レベルが高すぎるとパフォーマンスが下がるという逆U字型の関係があります。
下記グラフのように、逆U字型の関係は、二つの変数の間にある関係が、U字を逆さにしたような曲線で表されることを意味します。
「ヤーキーズ・ドットソンの法則」をもう少し分かりやすく説明すると以下のようになります。
例えばテスト勉強をするときに、全く勉強しないとテストで点数が取れません。
でも、勉強しすぎても疲れてしまってテストで点数が取れません。
だから、ちょうどいいくらいの勉強をして、テストで点数を取ることができます。
このとき、ちょうどいいくらいの勉強をすることで、適度な緊張感を持つことができます。
この適度な緊張感がパフォーマンスを高めるのです。
もちろん、課題の難易度や個人の性格によって、適度な緊張感のレベルは変わります。
自分に合った緊張感のレベルを見つけることが大切です。
次に「ヤーキーズ・ドットソンの法則」を活用したタイムマネジメントについてご紹介致します。
ヤーキーズ・ドットソンの法則に基づく効果的なタイムマネジメントの第一歩は、適切な目標の設定です。
目標は現実的であり、達成可能なものでなければなりません。
例えば、「今週中にプロジェクトの報告書を完成させる」といった具体的な目標は、モチベーションを高める一方、「明日までにプロジェクトを完了させる」といった不可能な目標は、逆にストレスやパフォーマンス低下を引き起こす可能性があります。
目標はSMART（Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound）という基準に沿って設定することが望ましいです。
SMARTとは・・・目標設定のためのフレームワークで、以下の頭文字を取ったものになります。
Specific：目標が明確で具体的な表現で書かれているか
Measurable：目標の達成度合いや進捗が定量的に測れるか
Achievable：目標が現実的で達成可能な内容か
Relevant：目標が自分の職務や部署、会社の方針に沿っているか
Time-bound：目標に期限が設定されているか
次に、設定した目標に向けてのタスクを優先順位付けします。
重要度と緊急度のマトリックスを使用することで、効果的にタスクを管理することができます。
重要かつ緊急なタスクにフォーカスし、時間を使い果たすことなく、効率的に業務を進めることができます。
時間管理は、タイムマネジメントの核心です。
時間の浪費を防ぐために、以下のテクニックを活用しましょう。
- スケジュールの作成：タスクごとにスケジュールを立て、予定を明確化します。
予定の中には余裕を持たせることも重要です。
予期せぬ問題や緊急な依頼が発生した際にも対応できるようにするためです。 - 集中時間の確保：集中力を要する作業に取り組むための専用の時間枠を作ります。
他の人との会議や電子メールのチェックといった中断要因を最小限に抑え、生産的な時間を確保しましょう。
ポモドーロ・テクニックという時間管理法を使うと、集中力を高めることができます。 - 先延ばしの癖の克服：タスクを先送りにする「先延ばしの癖」は生産性を低下させます。
大きなプロジェクトを小さなタスクに分割し、順次取り組むことで、取り組みやすさを高めましょう。
タスクに対して自分に報酬を与えることも、プロクラスティネーションを克服する方法の一つです。
いかかでしたでしょうか。
ヤーキーズ・ドットソンの法則に基づくタイムマネジメントは、適切な緊張状態と効果的な時間の使い方を組み合わせることで、最大の成果を生み出します。
目標の設定やタスクの優先順位付け、適切な時間管理の実践によって、個人や組織の生産性を向上させることができます。
効果的なタイムマネジメントを取り入れ、より効率的で充実した日々を送りましょう。
それでは、ご読了ありがとうございました。
