みなさん、『ゲシュタルトの法則』をご存じでしょうか。
ゲシュタルトという言葉自体は、同じもの、まとまったものを見続けた時に感覚が崩壊してしまい、意味がわからなくなってしまう「ゲシュタルト崩壊」で聞いたことがあるのではないでしょうか。
ゲシュタルト心理学とは、「人間の認知が特定のパターンや整合性を求める傾向がある」という理論です。
この理論に基づいて、人間が物事を見たときに自然とまとまりやすい法則がいくつか提唱されています。
これらの法則をタイムマネジメントに応用することで、時間の使い方を最適化し、生産性を高めることができます。
当記事では、ゲシュタルトの法則とはどういう法則なのかそして、ゲシュタルトの法則を活用したタイムマネジメント術についてご紹介致します。
「ゲシュタルトの法則」について詳しくご紹介致します。
始めにゲシュタルトとはドイツ語で「形態」や「全体像」の意味します。
そしてゲシュタルトの法則とは、「人間の脳が、視界に入ってくるものをひとつひとつ認識するのではなく、一定のまとまりで認識する」ことです。
たとえば、電車の窓から風景を眺めているとき、家をひとつひとつ数えて「家が47件あるな」とは、普通考えませんよね。
それよりも、「町があるな」とか「田舎だな」とか、全体的な印象で感じることが多いはずです。
このように、人間は部分ではなく全体を見る傾向があるというのが、ゲシュタルトの法則の基本的な考え方です。
ゲシュタルトの法則にはいくつか種類がありますが、中でも分かりやすいものをいくつか紹介します。
- 近接の法則
- 類似の法則
- 閉合の法則
- 連続性の法則
①近接の法則
「近接の法則」とは、距離が近いもの同士が同じグループだと考えるという法則です。
例えば、以下の図では、近接している2つの縦線がグループとして知覚されます。
||\u3000\u3000\u3000\u3000||\u3000\u3000\u3000\u3000||
②類似の法則
「類似の法則」とは、同じ色や同じ形、同じ向きのもの同士が同じグループだと認識されやすいという法則です。
例えば、以下の図では、黒い四角と白い四角のグループが交互に並んでいるように知覚されます。
□■■□□■■□□■■□□■■□□■
③閉合の法則
「閉合の法則」とは、閉じた形をしているものは1つの同じグループだと認識されやすいという法則です。
例えば以下の図では、閉じた括弧同士がグループを成すように認識されます。
〕〔 〕〔 〕〔 〕〔
④連続性の法則
「連続性の法則」とは、図形はつながった形になりやすいという法則です。
例えば、「ベン図」(2つの円の一部分が重なった図。数学の教科書などで、集合の解説によく用いられる)では、「円が2つある」と認識され、「欠けた円が2つと、ラグビーボールのような形が1つある」とは認識されにくい。
これらの法則は視覚に関するものですが、聴覚や記憶や思考などにも応用できます。
例えば、メロディーを聴く時には音符をひとつひとつ聞くよりも全体的な流れを感じますし、文章を読む時には文字をひとつひとつ読むよりも文脈を理解します。
ゲシュタルトの法則はデザインや広告などにも応用できます。
例えば、ロゴマークやポスターなどで空白部分(ネガティブスペース)を利用してメッセージを伝えたり、色や形や配置で視線を引き付けたりすることができます。
次に「ゲシュタルトの法則」を活用したタイムマネジメントについてご紹介致します。
- 近接の要因を活用する。
- 類同の要因を活用する。
- 閉合の要因を活用する。
- よい連続の要因を活用する。
- 共通運命の要因を活用する。
①近接の要因を活用する。
近接の要因とは、近くにあるもの同士はひとまとまりになりやすいという法則です。
タイムマネジメントにおいては、日常的に行うことや同じ目的のことを一つのブロックとしてまとめることで、時間の使い方を効率化することができます。
例えば、朝起きたら必ず運動・朝食・身支度をする、メールは午前中に一括でチェックするなど、ルーティンを作ることで無駄な時間を減らし、集中力を高めることができます。
②類同の要因を活用する。
類同の要因とは、形状や色などが同じもの同士はひとまとまりになりやすいという法則です。
タイムマネジメントにおいては、タスクや予定を色分けやカテゴリ分けすることで、時間の管理がしやすくなります。
例えば、仕事関係のタスクは青色、プライベート関係のタスクは赤色にするなど、視覚的に整理することで時間の把握や計画の立て方が容易になります。
③閉合の要因を活用する。
閉合の要因とは、互いに閉じあっているもの同士(閉じた領域)はひとまとまりになりやすいという法則です。
タイムマネジメントにおいては、タスクや予定を完結させることで、時間の整合性を図ることが重要です。
例えば、一つのプロジェクトを始めたら最後までやり遂げる、一つのメールを開いたら返信するなど、中途半端な状態にしないことで作業効率を向上させることができます。
④よい連続の要因を活用する。
よい連続の要因とは、よい曲線(なめらかな曲線)として連続しているものは1つとして見られるという法則です。
タイムマネジメントにおいては、タスクや予定を自然な流れに沿って行うことで、切り替え時間を減らし、作業効率を向上させることができます。
例えば、似た性質や目的を持つタスクをまとめて行うことで、作業内容や気分に合わせてスケジュールを組むことができます。
⑤共通運命の要因を活用する。
共通運命の要因とは、同じ方向に動いているものは同じものであると知覚する法則です。
タイムマネジメントにおいては、自分自身や他者が目指すゴールやビジョンに沿って行動することで、時間の有効活用が可能になります。
例えば、自分が達成したい目標や期待されている役割に基づいて優先順位をつけることで、重要なタスクから取り組むことができます。
いかかでしたでしょうか。
ゲシュタルト心理学の知識を活かしたタイムマネジメントのコツは以上です。
細分化すると、「近接・類同・閉合・よい連続・共通運命」など様々な要素があることが分かりましたね。
ゲシュタルトの法則を意識しながら、自身に合ったタイムマネジメントの方法を見つけて、より効果的な日々を送りましょう。
それでは、ご読了ありがとうございました。