みなさん「時間のマトリックス」という考え方をご存じでしょうか。
日々の生活で
「時間が足りない」
「予定がうまく回らない」
と感じることはありませんか?
そんな悩みを解消するカギとなるのが
「時間のマトリックス」という考え方です。
これは、スティーブン・R・コヴィーの
『7つの習慣』で紹介されており、
当日やるべきことを「緊急性」と「重要性」の観点から4つの領域に分けて整理する方法です。
初めての方でも簡単に使いこなせるこのメソッドを取り入れることで、
優先順位が見え、無駄な時間を省いて有意義に過ごせるようになります!
この記事では、
4つの領域の概要から実践方法までをわかりやすく解説していきますので、
ぜひ一緒に「時間の使い方」を見直してみましょう。
皆さんも日々のタスクに忙殺され、
目の前の作業が果たして本当に大事なものか、
考える余裕がないままに進めてしまうことがあるかもしれません。
しかし、「時間のマトリックス」または
「タイムマトリックス」を活用すると、
目の前の作業を4つの領域に分けて、
より効率的にこなせるようになります。
まずは、スティーブン・R・コヴィーが提唱した
「時間のマトリックス」
がどのように日々のタスク管理に役立つか、
そして実際の生活でどう活用できるのかを説明していきましょう。
「時間のマトリックス」の基本は、
「緊急性」と「重要性」の2つの軸により、
当日の作業を4つの領域に分けるというものです。
私自身も最初は優先順位をつけるのに苦労しましたが、
この方法を使うことで頭が整理され、
必要な作業と不要な作業がはっきりしました。
「4つの領域に分けるってどういうこと?」
と疑問に思われたことでしょう。
簡単に「4つの領域」について記載しましたのでご覧ください。
- 【領域1】緊急性(高)×重要性(高)=「急用作業」
- 【領域2】緊急性(低)×重要性(高)=「手すきでもできる作業」
- 【領域3】緊急性(高)×重要性(低)=「時間を奪われる作業」
- 【領域4】緊急性(低)×重要性(低)=「時間を浪費してしまう行動」
それでは、4種類の領域を見ていただいたところで、
各領域について説明していきます。
領域1:緊急かつ重要なタスク
この領域に含まれるのは、
即時対応が必要かつ重要なタスクです。
時間がなく、
迅速な対応が求められるため、
他の作業に優先して対応するべき内容が該当します。
例えば、私が以前急に体調を崩したとき、
その対応はまさにこの領域に該当しました。
会社を休んで病院に行き、
体を休めることが最優先でした。
このように、
誰もが日常生活で経験する
「緊急かつ重要な事態」は、
迅速な対応が必要です。
無理をすると、
かえって他の領域のタスクまで影響を及ぼすことになります。
例として以下の作業が該当します。
- 重要な契約書の締め切りが当日に迫っている
- 大事なプレゼンテーション資料の仕上げが必要
- 顧客からのクレーム対応が必要
- 子どもの急な体調不良への対応
- 自分や家族の怪我や病気への対応
- 締め切りのある請求書の支払い
- 上司からの急な依頼への対応
- チームのトラブルや緊急サポート
- 営業成績報告書の作成・提出
- メディア対応の急なリクエスト
- 部署全体の重要な打ち合わせの準備
- アカウントやシステムのセキュリティ問題の対応
- 緊急メンテナンス対応が必要な案件
- 顧客からの締め切り間際の注文対応
- 緊急事態への備品準備(自然災害時など)
- 大規模プロジェクトの期日直前の調整
- 会社の急な業績報告書の修正対応
- 取引先からの要請による納期の再確認
- 緊急会議の召集や資料準備
- クライアントとの契約更新手続き
領域2:緊急ではないが重要なタスク
緊急性は低いものの、
自分の成長や将来の目標に関わる重要なタスクです。
自分のライフスタイルやキャリアに良い影響を与えるため、
計画的に進めると効果的です。
例えば、私が資格取得の勉強に時間をかけたのも、
緊急ではないけれど重要な領域にあたります。
忙しい日々の中で時間を見つけ、
勉強に励んだ結果、
資格を取得でき、
キャリアアップにも繋がりました。
このように、
計画的に少しずつ進めることで、
後の成長や充実感に結びつきます。
例として以下の作業が該当します。
- 語学の勉強(英語・中国語など)
- 資格取得に向けた学習
- 筋トレや運動習慣の継続
- 仕事の新しいスキルの習得
- 自己分析やキャリアデザイン
- 家族との旅行や計画的な休暇
- メンタルケアやリフレッシュ時間
- 月に一度の目標設定と振り返り
- 読書や映画鑑賞による知識のインプット
- 料理の腕を上げるための研究
- 健康管理(定期的な病院の通院や検診)
- 専門書や業界ニュースの読み込み
- 創造的な趣味(絵画や音楽)
- キャリアに関する勉強会への参加
- 投資や資産形成についての学び
- 人間関係の強化・定期的な友人との連絡
- 瞑想やヨガなどのリラックス習慣
- マインドマップやノートでアイデア整理
- 資料整理やデスクの整頓
- 来月の家計簿や予算計画
領域3:緊急だが重要ではないタスク
緊急に見えて、
実際には重要でないタスクです。
できるだけ削減や他の方法で効率化することで、
自分の大事な時間を守ることが大切です。
以前、私は同僚からの急な飲み会の誘いを何度か受け、
断れずに参加してしまうことがありましたが、
後で考えると大事な時間が減ってしまいました。
そこで、「急であっても自分にとって重要か?」を考え、
断る勇気を持つことができました。
このように、
他者に振り回される時間を減らし、
自分の優先順位を大事にするのがポイントです。
例として以下の作業が該当します。
- 他部署からの急な問い合わせ
- 無駄な会議やミーティング
- 同僚からの不要な依頼や相談
- 突然の訪問者対応
- セールス電話への対応
- 社内連絡ミスによる確認業務
- 意図せぬシステムトラブルの初期対応
- 突然のパーティやランチの誘い
- 定型メールの返信
- 会議で重要でない発表への参加
- 必要以上の会議参加依頼
- 突然の飲み会のお誘い
- 資料や備品の探し物
- 他部署からの間違った書類の修正依頼
- 不要な雑談や長話
- 突然の業務システムの更新
- 作業チームメンバーからの雑談メール
- 必要のない通話の延長
- 社内の部署間連絡のトラブル
- 処理広報資料の少量修正対応
領域4:緊急でも重要でもないタスク
特に必要もなく、
日常的に浪費してしまいがちなタスクです。
適度なリフレッシュは良いですが、
やりすぎないように注意しましょう。
私も仕事で疲れたとき、
気づけばスマホでネットサーフィンやSNSをチェックしてしまい、
1時間も過ぎていたことがありました。
今では、
スマホの使用時間を制限し、
「本当にやりたいこと」に集中する時間を増やすようにしています。
このように「何となくやってしまう行動」は、
実は時間の浪費になっていることが多いので気を付けましょう。
例として以下の作業が該当します。
- SNSやネットサーフィン
- 長時間の動画や配信視聴
- 何度もチェックするメールの読み込み
- ゲームに長時間費やす
- スマホでの長時間のタイピング
- ベッドでゴロゴロする
- 関心のない番組の視聴
- 眠りすぎる二度寝や三度寝
- 食後のダラダラとした時間
- おしゃべりや雑談のしすぎ
- 買い物サイトでのウィンドウショッピング
- 目的のない散歩や無計画な外出
- 整理整頓の必要がない場所の片付け
- 自分の興味のないウェビナー参加
- 何度もカフェに立ち寄る
- ストレス解消としてのやりすぎた飲食
- 長時間に及ぶ無計画な友人との通話
- どこかに移動するだけの行動
- 漠然としたテレビの再生
- 余分なアプリのインストールやチェック
「時間のマトリックス」を初めて使う方に向けて、
分かりやすく下記のステップごとに活用方法を解説します。
STEP 1: 1日のタスクを書き出す。
まずは、自分が1日でやるべきタスクをリストアップしましょう。
手帳やスマホのメモ機能を使って、
思い浮かぶ限りの作業を書き出します。
細かい作業でも構いません。
例えば、
「メールチェック」
「家族との電話」
なども書き出してみましょう。
STEP 2: タスクの緊急性と重要性を判断する。
次に、それぞれのタスクが
「緊急かつ重要」
かどうかを考えます。
最初は、
以下の点を元に判断していくと良いでしょう。
- 緊急性: そのタスクを今すぐやらないと、他に影響が出ますか?
- 重要性: そのタスクは、自分の目標や人生の方向に関連していますか?
この質問に沿って、
書き出したタスクを4つの領域に分類していきましょう。
STEP 3: 領域ごとに優先順位を決定する。
分類が終わったら、
各領域ごとにタスクの優先順位を付けます。
特に「領域1」(緊急かつ重要なタスク)のタスクは最優先で片付け、
「領域2」(緊急ではないが重要なタスク)のタスクも
計画的に進められるように時間を割り振ります。
「領域3」(緊急だが重要ではないタスク)は
減らす努力をし、
「領域4」(緊急でも重要でもないタスク)は
極力避けるように意識することが大事です。
STEP 4: 実行しながら改善する。
一度に完璧を目指すのではなく、
実行しながら振り返り、
改善していきましょう。
初めはタスクの分類や判断に迷うかもしれませんが、
徐々に慣れていきます。
定期的にマトリックスを見直すことで、
より精度の高い時間管理ができるようになります。
STEP 5: マトリックスを習慣化する。
ここまできたら「時間のマトリックス」を習慣化していきます。
最初は週1回から始めて、
慣れてきたら毎朝や毎週の予定に取り入れると効果的です。
STEP 6: 週単位で振り返り、効果を確認する。
週の終わりに、
自分がどれだけ効率的に時間を使えたかを振り返りましょう。
この振り返りは、
以下のような視点で行うと改善点が見つかりやすくなります。
- 目標達成度:どのくらいのタスクを完了できたか?
- 無駄にした時間:無意識に「領域4」に当たる行動が増えていないか?
- 優先度の見直し:「領域1」に時間を取られすぎていないか?「領域2」に時間を確保できたか?
この振り返りにより、
次週の予定や時間の使い方をさらに改善し、
効率の良い時間管理を続けることができます。
例えば、
毎週土曜日の朝や日曜日の夜に振り返る習慣を作ると、
無理なく続けられます。
仕事の優先順位をつける際、
特に最初は迷うことが多いでしょう。
なぜなら、どのタスクも「重要そうに見える」からです。
しかし、優先順位を効果的に決定する方法を学ぶことで、
効率よく結果を出すことができるようになります。
以下では、優先順位を迷わずに判断するための方法を、
初めての方にもわかりやすく専門的に解説していきます。
方法①タスクの全体像を把握することから始める。
まずは、
自分のタスクを整理することが重要です。
優先順位をつける前に、
現在進行中のタスクや今後発生するタスクの全体像を把握することで、
「緊急度」や「重要度」が比較しやすくなります。
このとき、
次のポイントに沿ってタスクをリストアップし、
可視化してみましょう。
- タスクの内容:タスクの詳細と必要な作業内容をリストに記入します。
- 期限:いつまでに完了する必要があるか、具体的な締め切りを記入します。
- 関係者:タスクに関わる上司や同僚、関係部署などを明確にします。
- リソース:タスクの完了に必要なツール、情報、スキル、サポートなどのリソースをリストに加えます。
これらの情報を集めることで、
各タスクの緊急度や重要度がより具体的に見えてくるため、
優先順位の判断がしやすくなります。
方法②「緊急度」と「重要度」を見極めるチェックリストを利用する。
タスクを「緊急度」と「重要度」で評価することが重要です。
しかし、これらの判断基準が明確でないと、
すべてのタスクが同じように「重要に思える」場合が多いため、
チェックリストを参考に判断してみましょう。
下記のチェックリストでは、
それぞれの観点に応じて具体的な質問項目を設けています。
まずは「緊急度」と「重要度」に分け、
各タスクについて確認することで判断力を高められます。
1.緊急度チェックリスト
1-1. 時間制約の有無
- このタスクには、期限や納期がありますか?
- 期限が過ぎると、他の業務や目標達成に影響が出ますか?
1-2. 他者への影響
- このタスクが遅れることで、同僚やチーム、取引先に迷惑がかかりますか?
- 他部署や他チームのプロジェクト進行を待たせている状態ですか?
1-3. 依頼者の期待度
- このタスクは上司やクライアントから「早急に」と指示されていますか?
- タスクの依頼者が進行状況を頻繁に確認してくるほど、早急な対応を期待されていますか?
1-4. 問題解決の緊急性
- このタスクは現場で生じている問題や障害の解決に関わっていますか?
- 解決しないと進捗が止まるような、致命的な問題を含んでいますか?
1-5. チームの進行状況
- チームの進行に支障をきたすタスクですか?
- 他のタスクをスムーズに進めるために、早めの対応が必要ですか?
2.重要度チェックリスト
2-1. 目標への貢献度
- このタスクは、自分やチームの目標達成に直接つながりますか?
- 長期的な成果や成長に結びつく活動ですか?
2-2. 価値の高いタスクか
- このタスクを終えると、スキル向上やキャリアの成長に繋がりますか?
- クライアントや上司から高い評価を得られるようなインパクトのある仕事ですか?
2-3. 成果への寄与度
- このタスクの完了が全体の業績やプロジェクトの成果に影響を及ぼしますか?
- 効果が持続するようなタスク(例:システムの改善や新プロジェクトの計画)ですか?
2-4. 長期的な重要性
- 現在だけでなく、将来も価値を持つ活動や成果ですか?
- 一度やれば今後も活用できるような資産(ドキュメント作成、システム改善)になりますか?
2-5. 人脈や信頼関係の構築
- 人間関係の強化や信頼関係の構築につながる活動ですか?
- 長期的に見て、キャリアや仕事に有利になる関係性の構築に役立ちますか?
3.頻度、リソース、リスクを考慮する
3-1. 頻度チェック
- このタスクは頻繁に繰り返すもので、1回の対処が今後も役立つものですか?
- 一度だけの対応であれば、緊急性や重要性に見合った時間をかけるべきですか?
3-2. リソースの充足度チェック
- タスクに必要なリソース(時間、人手、予算)は確保されていますか?
- 他のタスクに支障をきたさず実施できるかどうか、確認しましたか?
3-3. リスクチェック
- このタスクを後回しにすると、何らかのリスクが生じますか?
- タスク未完了のまま次に進んでしまうと、失敗やトラブルの可能性がありますか?
- リストの記入
タスクごとに、
上記のチェックリストに沿って記入を行い、
どのタスクが最も
「緊急度」および「重要度」が高いかを見極めます。 - 視覚的に確認する
各チェック項目を得点化し、
点数の高いタスクを最優先事項とすると、
全体のタスク優先順位が一目でわかるようになります。
方法③「インパクト×労力」の視点を加味する。
タスクの重要度を見極めるためのもう一つの視点として、
「インパクト×労力」の考え方も役立ちます。
特に、複数のタスクが同じような緊急度・重要度に見える場合、
インパクト(効果・成果の大きさ)と
必要な労力を評価することで、
より戦略的に優先順位をつけることができます。
インパクト×労力のマトリックス
分類 | インパクト | 労力 | 優先順位 |
---|---|---|---|
短期成果 | 高 | 低 | 最優先 |
中期投資 | 高 | 高 | 重要だが要調整 |
隙間活用 | 低 | 低 | 短時間で完了させる |
無駄な努力 | 低 | 高 | 優先順位を下げるか見直す |
このインパクト×労力の視点を加えることで、
以下のような判断が可能になります。
- 短期成果タスク:インパクトが大きく、少ない労力で達成できるタスクは優先度が高く、早めに着手すると効率が良い。
- 中期投資タスク:重要でインパクトが大きいものの労力もかかるタスクは、適切なタイミングを見極めて着手することがポイント。
- 隙間活用タスク:インパクトや労力が低いタスクは、時間が余ったときに消化すると効率的。
- 無駄な努力タスク:インパクトが低く、労力もかかる場合、見直しや委任の検討が必要。
方法④タスクの「目的」を明確にする。
タスクの目的を考えると、
優先順位が迷わずに判断しやすくなります。
仕事の目的やゴールに照らし合わせてタスクの優先度を再評価することで、
より的確な決断ができます。
以下の視点を活用し、タスクの目的を明確にしましょう。
- 短期目標と合致しているか:短期的な目標に直接貢献するタスクであれば、優先度が高くなります。
- 上位目標と関連があるか:タスクが自身の長期的な目標やプロジェクト目標に関連しているかを確認しましょう。
- 具体的な成果が期待できるか:タスクが完了することで得られる具体的な成果(例:売上増、顧客満足度向上)がある場合、そのタスクの優先順位が上がります。
初めての方も、
単に「タスクをこなす」のではなく、
常に「なぜこのタスクを行うのか?」
という視点を持つと、
より効率的に優先順位をつけられるようになります。
方法⑤「依頼者の期待」と「会社の方針」に照らし合わせる。
上司や依頼者からの期待、
さらには会社の方針にもタスクの優先度を考慮する必要があります。
特に最初のうちは、
自分だけの視点ではなく、
周囲の期待や指示を踏まえて判断することで、
正確な優先順位が見えてきます。
- 依頼者の要望:依頼者が特に重視している部分を確認し、その点が含まれるタスクを優先的に扱いましょう。
- 会社のビジョンや目標:会社の方針に沿った活動を優先し、それ以外の業務は後回しにすることが、組織内での成果に繋がります。
「時間のマトリックス」を使い始めると直面しやすい問題や課題にぶつかります。
時間管理が初めてでも安心して運用できるように、
分かりやすく対応策もご紹介します。
Q1: どうしても領域が決まらないタスクはどうすればいいの?
タスクの分類が難しいとき、
まずは 「緊急度と重要度の明確化」 を意識すると判断しやすくなります。
この際、以下のステップでタスクを再評価するのが効果的です。
タスクの目的が業務の最終目標にどの程度寄与するかを見直します。
目的に対する影響が高ければ「重要」と捉えられるため、
少なくとも領域1か2に分類可能です。
反対に目的達成に対して直接的な影響が低ければ、
領域3か4の可能性が高いでしょう。
例えば、締切がある場合、
短期間での処理が求められるなら「緊急」と判断できます。
緊急度は時間軸で確認すると判断しやすくなります。
「このタスクを今日行わなければ、他の作業や計画に支障が出るか?」
という視点で緊急性を評価しましょう。
どうしても領域が分からない場合、
そのタスクを「大まかなゴール」に分解して再定義してみましょう。
タスクを小分けにすると、
「何のために必要か」
「いつまでにやるべきか」が明確になり、
マトリックスでの分類が容易になります。
初めてのうちは、
「まずは仮で領域に割り振る」ことで判断が早くなり、
実際に進める中で「タスクの性質」がより明確になります。
このプロセスを通じて徐々に適切な分類が身についていくでしょう。
Q2: 領域1に追われてばかりいるのですが、改善方法は?
領域1に多くの時間を取られる場合は、
「領域1の根本原因を取り除き、領域2への時間確保を増やす」
アプローチが有効です。
具体的には次の方法があります。
- 領域1タスクのパターンを特定する
領域1の作業内容を一定期間観察し、発生する原因や頻度を洗い出します。例えば、頻繁に発生するトラブルが原因の場合、根本的な改善を試みることで発生頻度を低減できます。もしくは業務全体の流れを見直し、頻繁に対応が必要な作業の効率化やルーチン化を図りましょう。 - 自動化・外部委託を検討する
領域1に多いタスクは往々にして「他者依存」または「時間消費の多いルーチンワーク」であることが多いため、自動化ツールや外部リソースの利用を検討するのも一つの手です。タスク管理ツールやルーチン業務自動化ソフトを活用し、時間負担の削減に役立てます。 - 事前計画とバッファ時間の確保
緊急対応の発生を減らすためには、事前に計画しておくことも有効です。特に重要な「領域2」のタスクに事前にバッファ(余裕時間)を確保しておくと、急なタスクにも対応しやすくなります。 - 時間の「見える化」で可視化する
領域1にかける時間がどのくらいなのかを定期的に記録し、可視化することで、無意識に使っている時間を把握します。結果として改善点が見つかり、意識的な時間配分が可能になります。
Q3: マトリックスの運用が続かないときはどうすれば?
時間のマトリックス運用が続かないと感じる場合は、
習慣化の工夫を取り入れることで、
無理なく継続できるようになります。
- 小さなステップで始める
最初は「完璧を目指さずに始める」ことが大切です。毎日全てのタスクを正確に分類しようとせず、まずは週に1〜2回、主なタスクだけをマトリックスに分類していくといったように、小さなステップから始めます。 - 領域1に頼りすぎない: 領域1にばかり依存するのではなく、将来に向けた投資である領域2にも積極的に時間を割くことが大切です。仕事やプライベートでの目標設定を行い、やるべきことが明確化されるため、充実感が増します。
- 領域4を削減する習慣を持つ: 意識的に領域4のタスクに割く時間を減らす工夫を続けていくことで、1日に余裕が生まれ、心身の健康が保たれます。スマホを別の部屋に置いたり、SNS利用の時間を決めるなどが効果的です。
- 定期的なレビュータイムを設ける
日々のタスクのマトリックス分類にこだわらず、週末などに1週間を振り返る時間を設けると、無理なく改善を進められます。特に週1回のレビューは、重要度や緊急度の再認識にもつながり、モチベーションの維持に役立ちます。 - 進捗記録を残し、自己評価する
小さな達成感を感じられるよう、1日の終わりや週末に達成したタスクを振り返り、自分の進歩を記録します。少しずつでも成果が実感できると、やる気を維持しやすくなります。 - パートナーを見つけて共有する
時間管理のパートナーを持つこともおすすめです。互いに進捗を共有したりフィードバックを行うことで、新たな発見が生まれやすく、取り組みの継続に繋がります。
「時間のマトリックス」を意識することで、
自分の一日がどのように変わるのか、
ここでは具体的なシミュレーションを交えて紹介します。
私は以前、
忙しさに追われて一日のタスクが目の前に山積みになり、
「どれから手を付けるべきか」
と混乱してしまうことが多々ありました。
そこで、
日々のタスクをマトリックスで分け、
優先順位を付けることを始めたのです。
以下に、マトリックスの効果を一日の流れを例に説明していきます。
【朝】優先順位を明確にする準備
朝は、最も集中力が高まりやすく、
体力も十分ある時間帯です。
この時間帯に一日のスケジュールとタスクの優先順位を確認することで、
スタートダッシュがしやすくなります。
私は毎朝、
コーヒーを飲みながら
「今日、最も大切なことは何か」
を考えるようにしています。
この時、以下のような順序でタスクを仕分けします。
- 緊急かつ重要なタスク(例:締め切りが迫っている仕事)
- 重要だが緊急ではないタスク(例:自己啓発や学習)
- 緊急だが重要でないタスク(例:急な依頼や会議の準備)
- 緊急でなく重要でもないタスク(例:SNSチェックやニュース閲覧)
この仕分けにより、
朝の時間には、
最優先である領域1のタスクを片付ける準備が整います。
例えば、
私は「今日中に書類を提出する必要がある」
といったタスクを最優先にしています。
この優先順位を明確にするだけで、
目の前の迷いがなくなり、
朝から集中して作業に取り組めるようになりました。
【午前中】集中力が高まる時間帯を活用する
朝から午前中は集中力が高く、
効率的に作業をこなせる時間帯です。
この時間帯に領域1のタスク、
つまり「緊急かつ重要なタスク」を済ませることで、
一日のリズムが整い、
その後の作業もスムーズに進みます。
私の場合、
午前中に重要なプレゼン資料の作成やミーティングの準備などを行います。
このように、
最も集中できる時間帯に重要なタスクをこなすことで、
仕事のストレスを軽減し、
余裕が持てるようになりました。
【午後】重要性の高いタスクを淡々と進める
午後になると少し疲れが出てきますが、
まだ集中できる時間帯です。
この時間帯には、
領域2である
「緊急ではないが重要なタスク」
に取り組むのがおすすめです。
自己成長に繋がる勉強や計画作りなど、
少し時間がかかるが重要なタスクに着手します。
私は、午後の時間に資格取得のための勉強を行ったり、
ブログ記事のアイデア出しを行うなど、
集中力を要するが緊急ではない作業に時間を割くようにしています。
午後の重要タスクに取り組む際、
私は以下のルールを設けています
- スマホを遠ざける: 集中の妨げになるため、目につかない場所に置いておく。
- タイマーを設定: 25分作業+5分休憩のポモドーロ・テクニックを活用し、集中力を持続させる。
これにより、
午後でも生産性が維持され、
タスクが効率よく進むようになりました。
領域2のタスクに時間を割くことで、
日々の自己成長に繋がり、
結果として仕事のスキルも向上していきます。
【夕方】優先度の低いタスクを片付ける
夕方には、
集中力や体力も徐々に低下してきます。
この時間帯には、
領域3である
「緊急だが重要でないタスク」
に取り組むようにしています。
例えば、職場の雑用や同僚のサポートなど、
他人の要望に対応する必要があるが、
自分にとってはそれほど重要でないタスクです。
私はこの時間帯に、
たまっているメールの返信や、
ちょっとした問い合わせへの対応などを行います。
この領域に多くの時間を割くと、
重要なタスクに取り組む時間が減ってしまうため、
時間を制限しています。
具体的には、
15分以内で終わるタスクだけを処理し、
終わらない場合は翌日に回すようにしています。
このルールを設けたことで、
他人の要望に振り回されず、
自分の時間を確保することができるようになりました。
【夜】リフレッシュとリフレクションの時間を大切にする
夜は、
自分自身と向き合う時間です。
この時間帯には、
領域4の「緊急性も重要性も低いタスク」を減らし、
充実したリフレッシュ時間を確保することが大事です。
例えば、SNSの無駄なスクロールやテレビの見過ぎを避けるため、
私はあえてスマホの通知をオフにしています。
「時間のマトリックス」を日常に取り入れることで、
私自身、時間の無駄が大幅に減りました。
例えば、以前は突発的な依頼にすぐ対応していましたが、
今では「今、本当に取り組むべきか?」と考える癖がついたため、
時間が奪われることが減少しています。
これにより、
以前は残業になっていた作業も、
ほぼ定時内で終えられるようになりました。
また、緊急でないが重要な領域2のタスク(自己啓発や勉強)
に時間を割けるようになり、
日々の生活に目標意識が生まれ、
充実感が増しました。
いかがでしたでしょうか。
「時間のマトリックス」は、
日常の多様なタスクをわかりやすく整理し、
効率的に時間を使うための有力な考え方です。
「時間のマトリックス」を活用し、
毎日のタスクを4つの領域に振り分けるだけで、
時間管理が非常にスムーズになります。
特に忙しい現代社会で、
時間の優先順位を見失わないためには、
定期的にこの方法を活用し、
改善を繰り返すことが大切です。
初めての方も、
まずは自分のペースで実行しながら、
少しずつ改善していくことで理想の時間管理を目指せます。
日々の小さな行動が積み重なり、
充実した時間の使い方ができるようになるでしょう。
それでは、ご読了ありがとうございました。